実例集
切削油使用量の削減
SUS304の塑性加工
順送プレス加工で、抜き・曲げを長年されてこられましたお客様で、以前より切断面のバリ、曲げ部の割れで課題を抱えて
おられましたが、油剤変更に消極的でした。
ブルッガー試験のデータに基づき現行油の極圧性能を評価し新たな油剤を選定ご提案したところ、テストでこれまでの課題が
減少して手直しの個数が激減しました。選定した油剤の粘度が高めで展着性が良いため塗布量が調節でき使用量が減った
とのことでした。手直しが減り油剤消費量が減ったことで現場の方から喜ばれました。
指定可燃物の切削油選定
ワーク材質 鉄系/SUS304/SUS430/銅/真鍮/アルミ/快削鋼他
工場移転に伴い、危険物保有量の規制が問題となり、不水溶性切削油で引火点が250℃以上の指定可燃物となる製品が
必要となりました。その絶対条件のなかで被削材と加工条件に適した油剤の選定を行いました。それまで使用してきた
第4類第3石油類の活性型不水溶性切削油は難削材加工においては工具寿命に課題がありました。快削鋼においては錆の
問題がありました。植物油ベースの選定油により、難削材の加工不良が減少し工具寿命の延長が実現できました。
快削鋼における錆の発生も全くなくなりトータルコストの大幅な削減を達成出来ました。
切断機加工
アマダ、津根精機の切断機で鉄系材の切断をされているお客様で切削油剤(エマルジョン)の腐敗による悪臭が課題となって
おりました。そこでユカワカットWSB30(ソルュブル)を提案し使用していただいたところ、腐敗もなくなり切粉の洗浄性が
よいことから加工性も向上しました。3年間補充のみで現在に至っております。
油圧作動油の微少な漏れを特殊機能をもった油圧作動油で解消しました
OKUMA MC-40-VBで自動車部品の金型部品製造をされているお客様で、機械から油圧作動油の漏れ(月間 1Lほど)があり、
機械の修繕を検討されましたが、費用が思いがけず高額になることや、稼働停止期間が調整できなかったこともあり放置
されてきました。
そこで「漏れ防止機能」を持った油圧作動油を提案し、油圧油タンクをその商品に入れ替えて稼働させたたところ、
2週間ほどで床面での確認で漏れがごく少量となりました。1ヶ月ほど経過した時点では漏れが完全に止まりました。
その結果、油圧作動油の損失はなくなりました。床の油汚れも解消して作業環境の改善と火災予防にも効果がありました。
高性能エステル基油不水溶性切削油のさまざまな効果
工具寿命の改善がみとめられたクーラント基剤の特性
低速切削での大物加工に対応するエステル基油の高性能切削油
不水溶性切削油(活性極圧型)でφ60以上のネジ切り加工(材質:SCM440/SKD51/ステライト 工具:超硬インサート)
において、面精度の向上、工具寿命の延長を実現しました。量産加工ではないため数値による比較が難しいため感覚的な
比較結果となりますが①従来油では加工時の油煙がかなり多かったが、今はほとんど油煙が立たない状況です。
②ネジ切り加工している時の音がしなくなったので、工具寿命が延長できる可能性がありそうです。
③試用油では、ほとんど匂いがしないので作業環境の改善ができます。などの点で改善が期待されます。
SUS430の切断加工時のバリ
切断機での丸ノコの工具寿命延長
S50C転造タップでの工具寿命延長
自動盤の固定ガイドブッシュ焼き付き対策
ドレスインターバル延長
改善事例
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水溶性切削油の更油の際の共洗いの重要性
切削油による皮膚障害等を抱えていた作業者がいらっしゃったので弊社の実績で最も皮膚刺激性の少ない切削油剤に変更する事にしました。更液を行う時にタンク内や配管中に発生したバクテリアやカビなどを殺菌するためのシステムクリーナーを使用。24時間通常の機械稼働を行っていただきました。その後全量をタンクから抜き取り、新しい切削液を投入すれば更油が完了と一般的な作業工程を実施しました。共洗いについては、タンク清掃時に特に汚れの目立った機械のみを選定して行いました。切り替えて稼働していましたが最初の1週間で作業者より「機械によって加工終了後の加工室で眼の刺激」を訴えてきたため調査してみると全て共洗いをしていない機械でした。さらに次の1週間様子を見てみると、刺激のあった機械では前回よりも刺激の程度がやわらいでいるとの事でした。
その後、作業者には保護メガネを着用してもらい様子を見ていただいたところしばらくするとメガネをはずしても全く問題なくなりました。今後は、タンクの汚れ具合に限らず、刺激となる添加剤等を投入したときは共洗いを実施する事が重要と再認識しました。
※共洗い=同じ切削液の高希釈液を、抜き取りを完了したタンクにポンプアップできる最低量を投入して
配管内の残油を可能な限り少なくするために実施する作業工程。